くまねこFP

ファイナンシャル・プランナーのくまねこFPがお届けする、お金に関するちょっとした知識のお話です。

40代、50代非正規のためのお金の知識 ~はじめに~

さて、前回お知らせしたとおり、今回からしばらくは

 連載企画『40代、50代非正規のためのお金の知識』

と題しまして、就職氷河期世代の方にむけて知っておいたほうがいいお金の知識をご紹介していきたいと思います。

 

まず大前提として、就職氷河期世代とは…

 ▶主にバブル崩壊後の1993年から2005年に学校卒業・就職活動していた世代。1970年(昭和45年)4月2日から1982年(昭和57年)4月1日までに生まれた世代である。

    (ウィキペディア (Wikipedia): フリー百科事典『就職氷河期』より抜粋)

とされる年代であり、かくいう筆者もこの世代ど真ん中に当てはまる人間となります。

 

 この就職氷河期世代のなかでも現代雇用の社会問題とまで言われている『非正規』。

日雇い、アルバイト、パート、派遣社員契約社員。さまざまな雇用形態の中で、いわゆる『正社員』以外のものはすべて『非正規雇用』と呼ばれていますが、その立場はとても弱く、雇用期間も限られており、賃金も正社員より低く設定されているため、世の中の労働者は正社員になるべく必死に努力しいつかは正社員に採用されるよう日々努力を続けている…

 



なんて、本当にそうでしょうか?

 

たしかに現代において、非正規雇用の割合は増えに増え、2022年の時点で労働者全体の36.9%(厚生労働省発表)となっているなか、その賃金は正社員の賃金に比べて約67.0%ほどの金額となっています。

 

では、この状況を打破するにはどうあっても正社員になるしかないのか?

 

 実際のところ、正社員になったからと言って、40代・50代の非正規雇用からの正社員登用・中途採用がどれほどの待遇で雇用されるのでしょう。

職場によっては、まるで『定額使い放題』と言わんばかりの過酷な労働環境とサービス残業の日々が待っている場合もあるのではないでしょうか?

(あらかじめ、勘違いしないでいただきたいのですが、筆者は非正規雇用のシステムを賛美しているわけではなく、労働の内容に見合わない報酬や劣悪な労働環境に反対しているのです。もちろん真っ当な報酬を得た上でやりがいのある仕事ができるのであればそれに越したことはありません。)

 

そこで筆者は考えます。

 

「べつに無理して正社員にならなくても、やりたいことできればいいんじゃない?」

 

親や親戚がどう言おうと、世間様がどんな目で見ようと、自分の人生は自分が楽しめたら勝ちなんです。

 

であれば、まずやるべきことは何か?

「資格の勉強をして、より収入の多い職業に就く方法を考える」?

「人脈を広げ、富裕層の人々と知り合いになる」?

「新たなチャレンジのための情報収集をすること」?

 

いえ、まずやるべきことは、ないものを求めるのではなく、

「今あるものをよく知り、見直すこと

です。

 

それは自分が得てきた経験や、今までの人生で出会った人脈などでもありますが、そこはファイナンシャルプランナーの書く『40代・50代非正規のためのお金の知識』ですので、それらはいったん置いておいてまずは

自分の現在の収入

について見直してみましょうか。

(つづく)